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しばらくのあいだ、外出や旅行を自由に楽しむことができない日々が続いています。
先行きを予測することが難しい状況ですが、
事態が終息し、ふたたび楽しくお出かけできる日が来ることを願って。

「ポmagazine」では、お家でも楽しめる記事を中心に、
皆様の生活にすこしでも癒しや明るさをお届けできるよう、
京都の情報を発信していきたいと思っています。

「ポmagazine」編集部

酒場の有識者

「京都三大酒場を勝手に決める会議」が開催されたらしい【有識者編】

「ポmagazine」編集部
「ポmagazine」編集部

噂の広まり

殿堂入り

ある時、気持ちよく飲んでいた時に「京都三大酒場ってどこ?」という話題になり、ちょっとした議論に発展してしまいました。 言わずと知れた名酒場が多い京都。ゆえに意見が割れてしまったわけです。それなら一度、有識者の意見も聞いた上で、きちんと会議をした方いいということになり、今回の記事に至りました。 「京都三大酒場を勝手に決める会議」のはじまりです。

酒場の有識者が選ぶ「京都三大酒場」とは?

酒場をこよなく愛する有識者に、京都の「三大酒場」だと思うお店を選んでいただきました。各々のイチ押しのメニューを、京都に住む漫画家・イラストレーターのスケラッコさんのイラストとともにどうぞ。

酒場の有識者

ご協力いただいた有識者

  • 1人目:太田和彦さん
  • 2人目:ラズウェル細木さん
  • 3人目:泡☆盛子さん
  • 4人目:パリッコさん

#1
太田和彦さん

(グラフィックデザイナー、居酒屋探訪家)

居酒屋の達人。『ひとり飲む、京都』(新潮社)は、夏と冬の京都に太田さんが1週間滞在して飲みまくる、京都の酒場を知るには必読の一冊。レジェンドが選ぶ3軒とは?

Q.ご自身が選ぶ、京都の「三大酒場」を教えてください。

  • ・赤垣屋(川端二条)
  • ・神馬(千本中立売)
  • ・たつみ(裏寺)

Q.イチ押しメニューを1つ教えてください。

  • 赤垣屋の「きずし」
赤垣屋のきずし
太田さん:「京都の代表的な肴をここで」

Q.選んだ理由やお店にまつわるエピソードを教えてください。

「赤垣屋」は高い天井、ひんやりした三和土、ぶら下がる裸電球など本物の古い京町家の「時間の堆積」が比類ない居心地をつくり、大衆酒場ながらその「格」の高さは京都ならでは。創業昭和9年の「神馬」は京都で最も古い現役居酒屋。歴史を見せる粋にして雄大な店内。値段明記の肴はすべて最高級にして安価。裏寺町に昼12時から夜10時までぶっ通し営業の「たつみ」を知らない酒飲みはいない。立ち飲みカウンターに続く机席もつねに満員、肴もまことに良心的。

#2
ラズウェル細木さん

(漫画家)

1994年から『週刊漫画ゴラク』(日本文芸社)にて連載が続くご長寿漫画「酒のほそ道」。取材を兼ねて京都にもよく足を運ばれているのだそう。

Q.ご自身が選ぶ、京都の「三大酒場」を教えてください。

  • ・井倉木材(下長者町西洞院)
  • ・松川酒店(高倉錦小路)
  • ・きたざと(団栗西花見小路)

Q.イチ押しメニューを1つ教えてください。

  • 井倉木材の「うなぎの蒲焼」
井倉木材のうなぎの蒲焼
ラズウェルさん:「店頭の炭火の焼き台で焼く関西地焼きの蒲焼は、うなぎ専門店と比べても遜色のない本格的な逸品。こだわりの品揃えの日本酒とともにいただくと最高です」

Q.選んだ理由やお店にまつわるエピソードを教えてください。

「井倉木材」は材木店が営む立ち飲み屋。カウンターの中で次々と料理を作るマスターの包丁さばきは、材木屋さんの素人芸を超えた一流料理人の腕前で、それを眺めながら一杯やるのがたまりません。「松川酒店」は酒屋の店内で立ち飲みをする、いわゆる角打ちのお店。早い時間から呑兵衛でいっぱいになる人気店で、基本的に酒もつまみも自分で調達するセルフ方式ですが、ご主人と女将さんの人柄も魅力です。「きたざと」は祇園の石畳の路地にあって、ちょっと見には一見さんお断りの料理屋のような店構えですが、その実質はメニューもお値段も居酒屋そのもの。安心して酒と料理が楽しめる隠れ家的なお店です。

#3
泡☆盛子さん

(ライター)

京都在住の酒場ライターといえば、この人! 関西人が愛する雑誌『Meets Regional』をはじめ、フード取材でやしなった審美眼が選ぶお店はいかに?

Q.ご自身が選ぶ、京都の「三大酒場」を教えてください。

  • ・たつみ(裏寺)
  • ・赤垣屋(川端二条)
  • ・きみや(木屋町四条)

Q.イチ押しメニューを1つ教えてください。

  • たつみの「季節のおひたし」
たつみの季節のおひたし
泡さん:「毎回必ず頼みます。季節がわりで数種類の野菜が使われているため、『オクラが入ってる。夏やもんね』とか『柚子がちらりとのせてあるの、冬だけやったなー』などと四季を感じることができます。おだしが効いた優しい味付けも大好き」

Q.選んだ理由やお店にまつわるエピソードを教えてください。

「たつみ」は昼酒OKで、短冊メニューは圧巻の100品近く。昔は常連の指定席だった立ち飲み席にやっと案内してもらえた日のことは忘れられません。上等居酒屋「赤垣屋」は、凛とした空気感、端々まで気配りが行き届いた料理と接客にしびれます。いい歳の大人が日常的な場で少し緊張できるのは貴重。カウンター酒場の「きみや」は店の人もお客さんも人情味溢れる、癒し&パワースポット。スタイルは違えど、三軒とも常連も観光客もフラットに楽しめるのが魅力です。初めての店ではまず周囲の先達の様子を観察してから行動すれば、場になじみやすいように思います。

#4
パリッコさん

(漫画家/酒場ライター)

居酒屋レビューの連載「大衆酒場ベスト1000」で注目を集めた無類の大衆酒場オタク。とくに場末感のある酒場に異常な愛をもつ。

Q.ご自身が選ぶ、京都の「三大酒場」を教えてください。

  • ・京極スタンド(新京極)
  • ・たつみ(裏寺)
  • ・ひょうたん(室町木津屋橋)

Q.イチ押しメニューを1つ教えてください。

  • 京極スタンドの「牛すじこんにゃく煮込み」
京極スタンドの牛すじこんにゃく煮込み
パリッコさん:「絶品なのはもちろんなのですが、昭和2年から続くお店の歴史も一緒に味わっているような深みに、食べるたびに感動します」

Q.選んだ理由やお店にまつわるエピソードを教えてください。

東京在住の僕はどうしても、京都の飲食店には「京料理」「おばんざい」「料亭」といった、敷居の高いイメージをもっていました。ところが京都での飲み歩きを重ねるうち、それだけではない懐の深さを知り、どんどん大好きな街になっていきました。特にイメージの薄かった「昼飲み」ができるお店は、どこもリラックスした雰囲気で素晴らしく、それでいて京都らしい上品さも感じます。京極スタンドの圧倒的な雰囲気。たつみの、大量のメニュー1品1品すべてに気が利いている感じ、ひょうたんの、気を抜いて過ごせるのんびり感。どれもたまりません。

 

 

結果的に上位を占めたのは「たつみ」3票、「赤垣屋」2票。有識者のセレクトには、「これぞ誰もが認める三大酒場」というお店から、あえてヒネりを感じるお店も。限られた3票。みなさんなら、どこの酒場に投票しますか?

後編の記事では、この結果を肴に、地元の飲兵衛たちとともに京都三大酒場談義を深めていこうと思います。

【後編】近日公開予定

 

企画編集:光川貴浩、河井冬穂(合同会社バンクトゥ)
企画協力:平山靖子
イラスト:スケラッコ